分解斜視図の作図例のご紹介

特許図面や意匠図面、取扱説明書では、組み立て前の複数の部品を図示する方法として、各部品の形状や結合構造が分かり易い「分解斜視図」がよく使われています。

図(A)は、等角投影法を用いて描いたコネクタ部品の分解斜視図です。この例では、タイプ1の接続部分と、このタイプ1の接続部分を別の形状のタイプ2に変換するためのアダプタを、描いています(スマホのケーブルのコネクタ形状が新しいタイプに変わったときによく使うアダプタのイメージです)。

ところで、アダプタの背面側(タイプ1が接続される穴側)に特徴部分がありそれを見せたい、しかもタイプ1の接続部分(凸)も同時に見せたい場合、つまり接続部分同士を一緒に見せたい場合があります。

そのようなときは、図(B)のように、それぞれの接続側を手前に向けた斜視図を描き、くの字状に折り曲げた一点鎖線で結ぶのも、一つの表現法であると思います。なお、図(B)で網掛けを施した部分は、何らかの上記特徴部分があることを表しています。

これにより、図の枚数を増やすことなく接続構造をより分かり易く図示できる場合があります。この方法は、分割形式の金型の合わせ面同士を、同時に見せる際にも有効です。またサンプルの写真を撮影される際、図(B)のような向きで各部品を置いて撮影すると、下図(したず)資料をご準備する手間が少し省けるかもしれません。

以上、簡単ですが、分解斜視図の作図例のご紹介でした。ご参考になれば幸いです。最後までお読み下さり、ありがとうございました。