図の整列のご紹介

機械系の図面などでは、多数の物(図)を整列させる作図をよく行います。

今回は、最初の画像に示すような、オセロ盤の収納部分に並ぶ多数のコマを描く作図例を2番目の画像(図(a)~(e))で、ご紹介します。ソフトはillustratorを想定しています。

まず、上下の一方が黒、他方が白のコマを描きます(図(a))。

次に、描いたコマを必要な個数だけ複製します(図(b))。ここでは少し極端にばらばらに並べたコマを描きました。

そして、整列の中心揃えを行い(図(c))、さらに整列の等間隔(上下方向)を行います(図(d))。これにより、上下方向に規則的に並び、かつ、中心位置が揃えられた多数のコマが描けます。

最後に、整列した多数のコマ全体を120°回転させ(図(e))、オセロ盤の収納部分に収めると、最初の画像のような絵が出来ます。

今回の作図で大切な点は、コマを描く際、白と黒の「塗り」を利用し、それぞれのコマの重なり順(最前面、最背面等)に並べることかと思います。物が重なる図面では、線を「消す(削除する)」のではなく「隠す」ことで、作業がとても楽になります。これには、前述の塗りが大事になってきます。「消して」しまいますと、修正や流用する際の作業が一からやり直しになってしまうからです。オセロ盤の収納部分に収めた多数のコマについても、見えない部分は白い塗りで隠しています。

ちなみに、illustratorの「連結」にも同じことが言えます。線の端点のはみ出しなどが気になるために、隣接する異なる部品同士を安易に連結しますと、見栄えがよくてもその後の修正が大変です。線の端点のはみ出しなどは、連結ではなく「端点の処理」を工夫することで解消できます。

これら「隠す」や「連結しない」は、結局、実際の装置や部品と同じように考えればよいのかと思います。実際の装置等でも、後ろ側にある部品は無い訳でなく隠れているだけですし、また異なる部品同士も隣接しているだけで連結している訳ではない(接合している場合は除く)のと同じですので、実際の物(あるいはその組み立て順)をイメージすれば、修正も流用も容易になる図が、自然と描けると思います。

ところで、日付は変わりましたが、昨日(2月19日)で、今年の50日間が終わりました。仮に、オセロ盤面の全てのマスの数(64個)を1年という時間とした場合、ちょうど8個のコマが盤面にあり、9個目(黒)がどこかに置かれた、つまり、まだまだ序盤という感じでしょうか。オセロでは、序盤にあまりひっくり返さない方がよいとも言われますし、逆転劇はこれからでしょう。

以上、多数の物(図)の整列方法のご紹介でした。ご参考になれば幸いです。最後までお読み下さり、ありがとうございました。