断面の作図例のご紹介

二重管などの筒体の構造を説明する場合、直径や突起部分に寸法や符号を、補助線や引出線を付して図中に記載することがよくあります。図Aは、その一例で、1つの軸に2つの筒を嵌めた断面図です。寸法や符号が少なければ、あるいは形状が簡単であれば、このような図Aでも、寸法や引出線が見づらいことはないと思います。
しかし、筒の数が多かったり構造が複雑な場合、多くの寸法や符号を記入しようとすると、ハッチングの線が邪魔をして補助線や引出線が描きづらく、また一見して分かりづらい図になってしまうことがあります。
そのようなときは、図Bのように、もう一枚、断面を分離させて例えば縦に並べた断面の分解図を作り、各々の断面図に必要な寸法や符号を入れるのもよいかと思います。嵌合部分同士を鎖線や細線で結ぶなどすれば、部品間の関係も容易に理解でき、補助線や引出線が描き易く、何より、見易く分かり易い図になります。但し、複数の断面を縦や横に並べるのは分解図として違和感があるかもしれません。そのため、他の図面で実際には軸方向に嵌合することを示したり、図Bについて何らかの補足説明をされるのが望ましいと思われます。
以上、簡単ではありますが、断面図の描き方の一例のご紹介でした。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。