特許図面では、装置全体あるいは部品全体などを示す際、矢印の付いた引き出し線を使用することがありますが、以下、矢印付きの引き出し線が見易くなるように描いた参考例をご紹介します。
図(A)は、軸受け構造の断面図において、ボールベアリングを矢印で指した例を示しています。ここでは、最も一般的な矢印(→このような形)を用いてみましたが、断面のハッチングの斜線と、矢印(複雑な断面のため、この場合、引き出し線も)が交差してしまい、矢印や引き出し線がかなり見づらくなっています。断面図の場合、このようなことはよく生じます。
これを避けるには、引き出し線の通る位置を変えたり、矢印の種類を変えたりすることが有効です。
例えば、図(B)のように、黒い三角形の矢印を使い、さらに引き出し線の位置も少し調整してみることで、引き出し線が少し見易くなり、矢印もまた、ボールベアリングの外輪を指しているのことが、よく分かります。
そして、図(C)のように、引き出し線や矢印が浮かぶように且つ図面の最前面に、描画することも非常に効果的です。このようすると、引き出し線や矢印がとても見易くなります(単にアウトライン化すると大事なベアリングの外形線の一部を消してしまうことがあるので、その点は注意が必要です)。この場合、引き出し線の通る位置はあまり考慮する必要がなくなることから、お客様が下図に書いた符号の位置を大きく変えずに、illustratorでの符号入れ作業が出来ます。その結果、お客様が下図を見ながら図面を確認される際も、符号の位置が、下図における位置と大きく変わっていないので、容易に符号のチェックをして頂くことが可能になります。
当方では、この図(C)のような仕上がりを、通常の作図作業として行っております。
以上、矢印付きの引き出し線の簡単なご紹介でした。
(最後の図はillustratorで使用可能な矢印の例(一部)です)
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