カラー分布図の特許図面化(グレースケール、モノクロ二値)

平素は格別のお引き立てにあずかり、誠にありがとうございます。
今回は、各種CAEの解析結果(応力解析、流動解析、反り変形等)や、サーモグラフィーの温度分布で用いられるカラー分布図の特許図面化を、【画像1】~【画像8】でご紹介します。


【画像1】





【画像1】は、露天風呂と外の景色における温度分布を示したカラー画像です。この種のカラー分布図では、レインボーカラーをグラデーションで表現することが一般的です。一方、国内特許図面ではカラーが使用できません。そのため、【画像1】の内容を特許図面用として表現する場合、【画像1】をグレースケールや、モノクロ二値に変換する必要があります。


【画像2】



【画像2】は当方で画像処理を行ったグレースケール画像です。この【画像2】から分かるように、【画像1】の赤系統の色は黒っぽく、青系統の色は白っぽくなり、さらにその中間色がグレーのグラデーションに変換されています。


【画像3】




【画像3】は、さらに【画像2】をモノクロ二値に変換した結果です。多少劣化しますが、温度分布が概ね再現されていると思われます。なお、当方では、求められる仕上がりやファイル形式に応じて複数の編集ソフト、作図ソフトを選択的に使い、このようなグレースケール等のファイルを作成しております。画像編集ソフトでは、画像の仕上がり状態を確認しながら色変換や微調整を行って目的の画像を作っています。色変換の方法も、元画像ごとに異なるため、ご案件に応じた個別対応の編集作業になります。



【画像4】




以上のようなグレースケール化やモノクロ二値化に対し、仮に【画像1】を単純にグレースケール化すると、【画像4】のようになります。【画像4】では、赤系統の色および青系統の色のいずれも、黒っぽくなってしまい、これでは高温と低温が区別できず温度分布が不正確になり、【画像1】の特徴を再現できません。この点、当方の上記【画像2】【画像3】であれば、カラーの【画像1】のような細かい表現はできませんが、高温~低温の温度分布が、グレーの濃淡によって、概ね良好に再現されているのが、お分かりいただけるかと思います。





【画像5】



モノクロ二値化についても、単純二値で処理してしまうと、【画像5】のように、黒か白かの画像になり、温度分布が2色で表現されてしまいます。この点についても、当方で変換した上記【画像3】であれば、濃淡がドットの粗密で表現されており、高温と低温とその中間温度が、概ね良好に再現されます。


【画像6】



ところで、カラー分布図を特許図面化する際、最終図面の仕上がりを左右するのは、元画像の鮮明さです。そこで、元画像が不鮮明な場合も少し説明しておきます。ここでは、【画像6】のように単純に解像度を落としたカラー画像について、特許図面化を行いたいと思います。


【画像7】



【画像7】は、低解像度の【画像6】を、先ほどと同様にグレースケール化した結果です。凡例バーをご覧頂くとよく分かると思いますが、白い部分のレンジが長くなるなど、上記【画像2】よりも再現性が低下します。ただ、求められる品質によっては許容範囲の可能性はあります。


【画像8】




【画像8】は、【画像7】についてさらにモノクロ二値化を試みた結果です。グレースケール化と同様、【画像1】からの再現性は低下しており、見た目のコントラストも弱くなっています。しかし、この【画像8】でも、文字や汎例バーは作図で描き直す必要があるものの、場合によっては許容範囲の可能性があるかもしれません。


【元画像がかなり不鮮明な場合】

紙に印刷された画像をスキャナーで読んだデータなどの場合は、元画像がより不鮮明になることが予想されます。その場合は、グレースケール化もモノクロ二値化も、再現性がかなり低いものになります。例えば、濃い赤と濃い青の両方が真っ黒になってしまい、本来は最も白くなるはずの領域が黒くなってしまうなどの不具合が生じます。いずれの場合においても、お客様との仕上がりイメージの共有が難しいことから、テスト費用は発生しますが、画像処理の可否を含めて事前に1図だけテストを行うことをおすすめいたします。


【特許図面にするための他の方法】

カラーグラデーションの特許図面化には、今回ご紹介した方法の他に、凡例バーを適当に分割し、各分割部分に対応する大体の色をドットの粗密の違い等で区別・表現することにより、カラー分布図→白黒の特許図面とする方法があります。この方法は、画像処理ではなく作図による完全線図化ですので、濃淡のような表現はできませんが、線図ですので分布を明瞭に表現でき、図面の原則からしても、一番無難です。しかし、相当の作図作業を要するため、場合によっては、納期・費用を考慮すると、今回ご紹介したグレースケール化を選択するのが、実務上は現実的かもしません。


以上、カラー分布図の特許図面化をご紹介させて頂きました。ご参考になれば幸いです。当方でお役に立てそうでしたら、ご相談ください。

さて、明日から新しい月に入ります。7月に受けた健康診断の結果を気にしながら8月も健康第一で、精一杯頑張って参りますので、何卒よろしくお願い申し上げます。これから本格的な暑さになります。皆さま、くれぐれも体調を崩さないようお気をつけください。