手描きとillustrator

最近は、手で描いたことがなくても、illustratorやCAD、或いはofficeの各種ソフトで、イラストや図面を描く方も多いと思います。
斜視図などの立体図も、等角投影法や操作法を理解していれば、手で描けなくても、これらのソフトを使ってパソコン上で描くことは、十分に可能です。だだ、ラフスケッチや写真から、ダイレクトに立体図を起すことが求められる場合、不自然でない忠実な図にするためには、等角投影法やパソコン操作だけでは、どうしても限界があります。そのとき、手描きで立体図が描けるか否かが、作図の出来栄えに、大きな影響を与えるのではないかと思っています。
遊び感覚で、立体図を手で描いたりしています。アイソメ用の方眼紙に、定規、コンパス、分度器、円・楕円テンプレートを使って描きます。鉛筆で描いて消しゴムで消す、これを繰り返すのですが、この「描く、消す」も、illustrator等を使う上で、とても役に立つと思っています。ソフトの機能も、自分の知識も、完璧というのは無いので、多くの線を沢山描いていくうちに、期待通りに描線が処理されないことが出てきます。その際、「描く、消す」の感覚がない状態で、このような壁に当たってしまうと、作業が滞ってしまい次に進めません。この点、「描く、消す」の感覚があると、何とかして(表現は難しいですが、半ば強引に)形にできます。なお、そのときに経験した壁(問題)は、もちろん時間があるときに後で解決します(後回しにできます)。
一度も手で描いたことがない方や、作図を始めたばかりの方は、時々でもアイソメ用の方眼紙を使って「手で描く」練習をすると、前述した図面起こしや仕上げる力が身に付くかもしれません。ただ、最初は難しいと思います。しかし、フリーハンドでもよいので、アイソメの方眼紙を使って時間があるときに描いてみることを続けるだけでも、損はないと思います。
私もこれからも、この手描き感覚を維持しながら、「もう一つの自分の右手」になりつつあるillustratorと共に、精進して参る所存です。
最後までお読み下さり、ありがとうございました。ご参考になれば、幸いです。