ストライクゾーンは立体

平素は格別のお引き立てにあずかり、誠にありがとうございます。
今回は、図面を用いて野球の話を少し。野球のストライクゾーンは、図①に太い黒線で示す、ホームベース上方の五角柱状の立体(空間)になると思いますので、例えば、図②で示す球道のように、位置Bで少しでもストライクゾーンをかすめれば、ストライクになると認識しています。この場合、真正面(投手側)又は真後ろ(審判側)から見ると、位置Cでは、ストライクゾーンよりも外側となります。テレビ中継などでよく見るあの四角形の枠は、カメラが斜視でストライクゾーンを向いているため、図①の赤い面(位置B)なのか、それとも青い面(位置C)なのか?もし青い面であるとすると、実際はストライクなのに枠から外れて見えるのは、画面上の枠の位置のせいなのかなぁなどと思いながらいつも観戦しています。もしかしたら、枠はあくまで目安とした、図②に示すその中間位置(緑の破線)の面を表示しているのかも、、と思ったりもします。さらに、あの枠と一緒に表示される円、つまり球はどの位置なのでしょう。普通に考えれば、キャッチャーの捕球位置でなく、枠の真横を通過する球の位置なのでしょうね。
あと、昔から知られていますが、最近、キャッチャーのフレーミング技術という言葉をよく耳にするようになりました。フレーミングは、少しボール気味の球を捕球直後にミットを内側に移動させることで、ストライクと判定させるという捕球技のイメージを強く持っていましたが、もしかしたらストライクゾーンを通過したボールでも、フレーミングを行うことが多いと思っています。つまり、図②で、仮にキャッチャーの捕球位置が、位置D又はそれより後方だとすると、捕球位置は真後ろ(審判側)から見るとストライクゾーンより外側に見えます。審判は、キャッチャーの捕球位置に影響を受ける可能性があるため、キャッチャーは、捕球直後にミットを位置Bくらいまで横にずらし、審判に対して「今の球はベース上ではここだよ!ストライクだよ!」とアピールしているではないかと思うからです。
来年、メジャーリーグでロボット審判が導入され、ストライク/ボールのチャレンジが行われた場合、おそらくCGなどで視覚的に球場内や視聴者に、その結果が表示されると思います。そのときは、ストライクゾーンや球の表現法が平面的でなく立体的であって欲しいなぁと思いつつ、今回このような作図をした次第です。メジャーリーグでのストライクゾーンは、打者が構えた際の「肩の上部とユニフォームのズボンの上部との中間点」を上限とし「膝頭の下部のライン」を下限とする本塁上の空間、とされており、これら上限及び下限の位置は、打者の体形や構えによって異なります。ロボット審判の判定において、ストライクゾーン上限及び下限のそれぞれの位置は、各打者固有の情報を予め設定しておくのか?それとも一球一球、その上限と下限を画像から読み取って算出するのか、この辺りをどうするのだろう、と今から楽しみにしています。テニスやバレーボールの判定よりも、空間である分、且つ、空間も一定でないことから、とても難しいですよね。
さて明日からいよいよドジャースタジアムに移ってのワールドシリーズ!今のいい流れで大谷選手・ドジャースの選手たちの素晴らしい活躍をモチベーションにして、作図に励んで参ります。私の場合は、お客様が判断しやすい、ストライクゾーンど真ん中に投げ込むつもりで、分かりやすい作図を引き続き心がけます。11月も何卒よろしくお願い申し上げます。
皆さま、朝夕は冷え込むようになりました、お風邪など召されませぬようご自愛ください。